今からもう30年近く前のことなのですが、サラリーマン時代の私は、一時期カヌーに嵌っていました。
カヌーと言っても競技用のものではなく、ツーリングカヌーと言って、ファルトボートと呼ばれる組み立て式カヌーを現地まで担ぎ、現地で組み立て、キャンプ道具一式を積んで、のんびりと川を下っていく、という感じの川旅です。
当時の私は「野田知佑」さんというカヌーイストに憧れており、その方の書いたものもよく読んでいました。
で、その方の基本の川旅はソロなんですね。たった一人で(ガクという犬も同伴していましたが)アラスカのユーコン川などを何日もかけて下っていくのです。
その方の書いた本に「日本の川を旅する」というのがありまして、その中に岡山県の吉井川が載っていたのです。
で、私もという事で、6月ぐらいだったと思うのですが、カヌーとキャンプ道具一式を車に積んで、一人で西に向かいました。
地名はもう忘れてしまったのですが、吉井川の中流域の堰の下あたりを出発点に決め、車は近くに駐在所の方にお願いしてそこに停めさせてもらいました。
生憎の曇り空、今にも雨が降ってきそうな憂鬱な天気でした。
とりあえず腹ごしらえが必要だと思い、出発する前にインスタントラーメンを作って食べようとしたのですが、これが、全く喉に入らないのです。いつもならキャンプ飯はワシワシと食えるのですが、その時はなぜか食欲が急速に減退し、まるで、泥を食っているような気分でした。これから始まる川旅への極度の緊張感がもたらしたものでした。
よく考えたら「自分はなんて無謀な事をしているのだ。」と思いました。正直、吉井川という川は、四万十川や釧路川のようなカヌーがめっかの川ではありません。釣り人すらいない、地味で暗い川なのです。
天気も悪いし、目の前の川は黄土色に濁っていて、とても楽しい川旅ができるとは思いません。正直、このまま帰ろうかと思いました。
だけど、まあ、せっかく大阪くんだりから来たので、とにかく行けるところまで行こうと覚悟を決め、ラーメン無理やり喉の中に流し込み、それでも食えなかった分はそのまま川に捨てました。
ファルトボートの中にキャンプ道具一式を詰め、入りきらなかった食糧や酒の類は、クーラーボックスの中に入れてファルトボートの天板に括りつけました。かなり不安定な状態ですが仕方ありません。不安な気持ちをかかえながら、すべるように川岸を離れ、川下に向かってゆっくりと漕ぎ出しました。
続きは次回!
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